今回は、自己判断で誤ったダイエットを実践していた58歳女性への栄養治療介入を提示しました。体重や体脂肪率の変化を具体的に提示しながら減量支援を行うことで、患者さんの意欲向上が得られ、かかりつけ医療機関へ橋渡すことが出来た貴重な経験でした。フロアからの熱心なレスポンスに勇気づけられ、励まされました。
栄養士セッションからの学び
栄養士・管理栄養士部会のパネルディスカッション「低栄養の原因を分析しよう」を拝聴しました。令和6年の診療報酬改定において、標準的な栄養スクリーニングの実施が定められ、低栄養の評価にはGLIM基準を用いることが推奨されています。今後、低栄養評価が標準化される中で、なぜ低栄養に陥ったのかという要因分析が十分に行われているかどうかが課題になっていきます。低栄養は、疾患、炎症、嚥下機能、社会背景などが多面的に複雑に関連して発症するということを再認識しました。
パネルディスカッションでは、急性期・在宅・小児の症例を通して低栄養に陥ったプロセスを多角的に分析していました。様々な栄養評価スクリーニングツールを用い、それぞれの特性を理解し評価が行われていました。実際の評価では、健常時の栄養情報の把握が出発点とあり、体重変動や食事内容、摂取量や調理者など具体的な情報が必要となります。しかしながら、患者さんから得られる聞き取り情報は過去の記憶に基づくもので、思い込みや誤認を含む可能性があります。当院では、高齢な患者さんが多いため、聞き取り情報について一定のバラツキを前提に評価していく必要がある事を再認識しました。情報の乖離を見極め、必要な情報を選択していくスキルが必要だと感じました。
低栄養の原因は多面的に分析する必要がありますが、情報の正確性には限界があります。限られた情報の中で、低栄養に至った過程を推察し、迅速な栄養介入が出来る様に多職種と連携強化をはかってサポートを実践していきたいと思います。そして、定期的に再評価、修正を組み入れて、真の低栄養改善体制をつくっていきたいと思います。
