地域包括ケア病棟

【機能・対象】

地域包括ケア病棟は、急性期治療を経過し、病状が安定した患者様で直ぐに在宅や施設へ移行するには不安のある方、在宅や施設療養中から緊急入院した患者様に対して、在宅復帰に向けて診療、看護、リハビリを行い、安心して自宅や施設へ退院できるように支援する病棟です。

 

適応

 

  • 急性期の診療(骨折、手術、肺炎など)後も退院を目指したリハビリテーションが必要な方やもう少し経過観察が必要になる方
  • 症状が安定し、在宅復帰に向けてリハビリテーションが必要な方
  • レスパイトが必要な方
    (医療行為が必要で、福祉介護施設でのショートステイが受けられない方)

 

看護研究

脱フレイルを目指した栄養治療の過程で体組成はどのように変化しているか

 

神戸大学神緑会館記念ホールで行われた 第47回 日本栄養アセスメント研究会 において、 「脱フレイルを目指した栄養治療の過程で体組成はどのように変化しているか-パイロットスタディーから-」という演題で当院の取り組みを発表しました。

多職種連携は患者様の回復に大きく寄与しています。栄養治療を進める中で食事というものは、患者様の身体的回復のみならず、精神的なサポートとしても とても重要な意味を持っています。食事を通して入院生活における楽しみを提供することで、患者様の前向きな気持ちを引き出し、回復意欲を高める力があることにきづきました。

フレイルからの回復には、骨格筋量増加を後押しする適切な栄養供給と適切な運動負荷が必要です。栄養治療の効果を最大化するためには、食事の質と量だけでなく、食事のタイミングや生活リズムが密接に関係していることを学びました。

 

ベッドサイド訪問を重ねることで、患者さんの表情・感情の表出が増えました。体組成分析の結果を患者様にお示しながらお話をし、食事形態の変更を加えて行ったことで、摂取量は少しずつ上向き、骨格筋量の増加に結びつきました。栄養指導は身体的な回復だけでなく、心理的なサポートにも大きな役割を果たすことを証明しています。この経験から、栄養治療を行う上で、患者様一人ひとりの心理的背景を理解し、日常ケアにあたることが、治療効果を引き出すために不可欠であることを学びました。
 多職種連携をさらに深め、これからも栄養治療を通じて患者様の心身両面を支える看護を実践していきたいと考えます。